
今回は、巨匠フランシス・フォード・コッポラが監督した1982年公開のアメリカ映画『ワン・フロム・ザ・ハート』(One from the Heart)をオススメ。コッポラを名声的にも経済的にも窮地に落とした世紀の失敗作と言われるこの映画。
前作『地獄の黙示録』のフィリピン・ロケで悪天候に悩まされ続けたコッポラは、ここでは自社スタジオに巨額をつぎ込みオールセットで撮影しているのですが、この大巨匠はこれ以後もずーっとこんなこと繰り返している映画人生なんですね。
確かにストーリーは単なるよくある痴話喧嘩だし、主役の男女もそれほど人気俳優でもなくて、なんだかさえない。結局は興行的に大失敗し、巨額の制作費を回収できなかったコッポラは、この「ゾーイトロープ・ロス・スタジオ」を売却せざるを得なくなる。
でも改めて観たらそんなに失敗作だとは思いませんでした。公開当時は映像の美しさがちょっとした話題でしたが、約40年たった今でも一周回ってちょっとレトロでいい感じです。まだ初々しいナスターシャ・キンスキーの魅力も爆発。なんとハリー・ディーン・スタントンとは『パリ・テキサス』の前にこの映画で共演していたんだと発見して、何かジーンとしたりして…。
そして何と言ってもアカデミー編曲・歌曲賞にもノミネートされたトム・ウェイツとクリスタル・ゲイルの音楽が素晴らしいと思います。




☆ワン・フロム・ザ・ハート と合わせて飲みたいワイン
ブロック・セラーズ / ラブレッド2021赤
ぱっと想像するカリフォルニアワインとは一味違う軽快でジューシーなワイン。この甘酸っぱい味わいはまるであの頃の恋のよう。
ブロック・セラーズ ラブ・レッド2021赤