実験的ミュージカルにチャレンジした巨匠コッポラに乾杯!

『ワン・フロム・ザ・ハート』1982年/アメリカ

今回は、巨匠フランシス・フォード・コッポラが監督した1982年公開のアメリカ映画『ワン・フロム・ザ・ハート』(One from the Heart)をオススメ。コッポラを名声的にも経済的にも窮地に落とした世紀の失敗作と言われるこの映画。

前作『地獄の黙示録』のフィリピン・ロケで悪天候に悩まされ続けたコッポラは、ここでは自社スタジオに巨額をつぎ込みオールセットで撮影しているのですが、この大巨匠はこれ以後もずーっとこんなこと繰り返している映画人生なんですね。

確かにストーリーは単なるよくある痴話喧嘩だし、主役の男女もそれほど人気俳優でもなくて、なんだかさえない。結局は興行的に大失敗し、巨額の制作費を回収できなかったコッポラは、この「ゾーイトロープ・ロス・スタジオ」を売却せざるを得なくなる。



でも改めて観たらそんなに失敗作だとは思いませんでした。公開当時は映像の美しさがちょっとした話題でしたが、約40年たった今でも一周回ってちょっとレトロでいい感じです。まだ初々しいナスターシャ・キンスキーの魅力も爆発。なんとハリー・ディーン・スタントンとは『パリ・テキサス』の前にこの映画で共演していたんだと発見して、何かジーンとしたりして…。



そして何と言ってもアカデミー編曲・歌曲賞にもノミネートされたトム・ウェイツとクリスタル・ゲイルの音楽が素晴らしいと思います。

 

つかもと
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☆ワン・フロム・ザ・ハート と合わせて飲みたいワイン

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ぱっと想像するカリフォルニアワインとは一味違う軽快でジューシーなワイン。この甘酸っぱい味わいはまるであの頃の恋のよう。

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『ワン・フロム・ザ・ハート』1982年/アメリカ

監督:フランシス・フォード・コッポラ

出演:フレデリック・フォレスト、テリー・ガー、ラウル・ジュリア、ナスターシャ・キンスキー、レイニー・カザン、ハリー・ディーン・スタントン

ラスベガスで同棲していたカップル、ハンクとフラニーは、出会って5周年の記念を迎えた7月4日の独立記念日の前日に大喧嘩してしまう。そして、お互いがお互いをどこかで思いながらも、行きずりの相手と刹那的な恋に走るのだが…。

松尾伸也

「MY FAVORITE THINGS」編集長。酒、レコード、映画、活字、美味しいものの周辺に生きている。本来は「映画は劇場で鑑賞する派」だが、コロナ禍のスティホーム時期に録り溜めしていた映画を少しずつ見出して、いつのまにか千本を突破。映画をアテにチビチビと、好きなお酒を飲みながら過ごす週末を楽しみに日々を送っている。

ダテユウイチ

長崎県出身・福岡在住のイラストレーター。1989年生まれ。2014年より本格的に活動を開始し、シュールでユーモアなタッチの作品を特徴とする。ドローイングや個展を多数開催しており、雑誌、アパレル、企業とのコラボレーションも展開。地域に根ざしたPOP UPイベントなど、多様な形で表現を行っている。