
主人公が高級住宅街の庭のプールとプールをつないで一直線に自宅まで戻ってくるだけのストーリなのですが、途中から「あれ、何かおかしいぞ?」と観客は混乱してくる。そして事実が徐々に明らかになっていき、主人公は現実を徐々に思い知らされる。この徐々に明らかになっていくパターンの映画が私は大好物なん例えば『バニー・レークは行方不明』(1965年)とか。(こちらもおすすめです)
この究極の空気が読めない男を怪演しているマッチョなおじさんは、あのバート・ランカスター。ルキノ・ビスコンティの『山猫』やオスカー受賞作品『地上より永遠に』などに出演した超大物俳優であります。(なんとサーカス団出身という経歴!)ちなみにこの映画では最初から最後まで海水パン一つなので衣装代にはほとんどお金かかってません(笑)。
原作は「ニューヨーカー」誌に連載されたジョン・チーヴァーの短編小説で、郊外の高級住宅地に住むサバービアを皮肉った、何とも不思議な映画であります。経済の成長の波に乗った富裕層を描きながら、少しづつ蝕みつつあるアメリカ社会の病の兆しを描いたちょっとストレンジな作品。 「異色作」という表現がこんなにぴったりな映画も無いと思います。





☆泳ぐひと と合わせて飲みたいワイン
ムーリラ プラクシス・ピノノワール2023赤
タスマニアの大富豪デヴィッド・ウォルシュが手掛けるワイン。きっとウォルシュ邸の庭にも、ネッドが泳ぎたくなるようなプールがあるはず。
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