鹿児島中央駅からバスを走らせて約1時間
とどろき酒店で2025年6月から取扱いが始まった「大山甚七商店」にお邪魔してきました!
大山甚七商店は「日本のハワイ」とも呼ばれる鹿児島県指宿市にあります。
国道226号線を南に進んでいくとローソン指宿宮ヶ浜店が見えてくるのですが、この奥に蔵はあるのでぼーっとしていると通りすぎてしまいそうです。
ちなみに、このローソンが蔵の商品の直売所の役割も担っています。

明治8年(1875年)創業の「大山甚七商店」は創業当時「大山呉服店」という名で呉服や反物を販売していました。
蔵に琉球漆器などが残っており、海も近いことから当時外国であった琉球と貿易をしていた可能性が高く、酒造というより商人のようなことをやっていたそうです。
その名残もあって現在の屋号には「商店」と付いています。
現在は六代目蔵元である大山陽平さんとチーム大山甚七商店が造り上げた芋焼酎「山大一」、東京のクラフトコーラ専門メーカー「伊良コーラ」と共同で開発した「イヨシコーラ酎」を中心に、ジン・ラムなど様々な商品を製造しています。
今回は「山大一」を初めとした様々な商品を生み出す蔵の中を案内して頂きました。

蔵の中に入る前にまず目に入るのは「イヨシコーラ酎」をメインに、ジン・ラムなどを蒸留するための500Lの小さな銅製蒸留器が置かれたガレージのようなスペースです。
「イヨシコーラ酎」はこの蒸留器にベースとなる芋焼酎を入れ伊良コーラ特製スパイス、フレッシュレモン・ライム、カラメルを入れて蒸留して出来上がります。
大山甚七商店では銅製の蒸留器で蒸留した焼酎もあり、この日はその準備に向けて蒸留器の中に水を通して綺麗に洗浄を行っていました。
(2025年4月に蔵を訪れた際は丁度イヨシコーラ酎を蒸留しているタイミングだったんですが、蒸留器の周りは特製スパイスやライム・レモンの爽やかな香りが漂っていました!)

大山甚七商店が原料として使用する芋は全て指宿や知覧などの南薩摩産の芋を使用しています。
焼酎の味を決めると言っても過言ではない工程「芋切り」を行う場所と、原料となる芋(写真は黄金千貫)を見せていただきました。
焼酎にすると雑味となる芋の両端や腐敗した箇所を取り除くための芋切りは、1日で2.5tもの芋を処理します。
2.5tの芋を処理する中で140kg程は焼酎造りに使用しない部分が出てくるそうです。

大山甚七商店の一次仕込みは、代々受け継がれてきた和甕で行われます。
この和甕の中で丁寧に温度・発酵管理を行うことで、焼酎の香りや味わいに深みを与えてくれます。
この日はラム酵母を使用した芋焼酎「薩摩の誉 ラム酵母」の醪が仕込まれていました。
「甕を洗っている時に気付くんです、それぞれ匂いが違って味わいも変わってくることに。」
甕という道具の一つにも個性があること、その個性が味となり焼酎にも引き継がれることを大山さんは語ってくれました。

一次仕込みで完成した醪に原料となる蒸した芋を投入する二次仕込み
大山甚七商店では蒸した後の芋も一つ一つ丁寧に焼酎にしたときに雑味となる部分を手で割って・食べて確認します。
この工程で排除される芋の量はわずか3kgほど、割合にすると0.002%程ですが、このこだわりが大山甚七商店の焼酎の品質をいかに大事にしているかが伝わりますね!!
この日は紅はるかを使用した二次醪が発酵中でした。
この醪は通常蒸留に使用するステンレスの蒸留器ではなく、蔵の入り口にあった銅製の蒸留器で蒸留されます。
私も2025年発売の「山大一 紅はるか 銅製蒸留器使用」を家で飲んでいますが、日が経つにつれ香りと甘みが増しています。
次回リリースされた際にはぜひ手に取って欲しい一本です。

一通り蔵の中を見学させていただいた後は、大山甚七商店の造る焼酎やラム等を樽貯蔵している貯蔵庫の中で色々試飲させていただきました。

山大一やイヨシコーラ酎をはじめとし、ジンやラムなど様々な商品を試飲させていただく中で一番驚きの声があがったのが
「宮ヶ浜 Aroma バーボンカスクフィニッシュ」
宮ヶ浜Aromaはオレンジ芋品種である「玉茜」を使用して造られる、鹿児島県内限定で流通されている大山甚七商店の焼酎です。
Aromaと名がつくだけあって、香りから笑顔になるような華やかなアロマを持っています。
(原酒不足のため現在は休売中)
その宮ヶ浜Aromaの原酒を銅製の蒸留器で再蒸留した後、バーボン樽にて約4年間寝かせた商品が「宮ヶ浜 Aroma バーボンカスクフィニッシュ」。
バーボン樽由来のバニラのような香りの中に宮ヶ浜Aromaらしい南国果実や花のような香りが広がり、口に含むとアールグレイのような香りと程よい渋みが鼻から抜けていきます。
大山甚七商店好き、宮ヶ浜Aroma好き、ウイスキー好きの幅広い方に楽しんでいただける一本です。
残念ながら、とどろき酒店に入荷した分は完売してしまったので、またいつか販売されることを切に願います。

焼酎蔵としては多彩なアイテムを展開している大山甚七商店。
今回蔵を見学させていただいたことによって、アイテム1つ1つにかける思いや生み出されるまでの背景を詳しく知ることができました。
まだ蔵に戻ってきた数年の6代目蔵元大山陽平さんと、それを支えるスタッフたちがこれからどんなことにチャレンジしていき、どんなものが私達の手元に届くのかもうすでにわくわくが止まりません。
とどろき酒店としては久しぶりの焼酎新規取り扱い蔵である大山甚七商店。
この新たな縁を大切に、造り手の想いと指宿の風土を皆さまの元へお届けできればと思います。
大山甚七商店の皆様ありがとうございました!!




