
『エレファントマン』や『ブルー・ヴェルベット』などと比べると、デヴィッド・リンチの作品群の中では少し異質な作品ではあるが、リンチファンの中でもイチニを争う人気作品である。実はリンチの公私にわたるパートナーであったメアリー・スウィーニーが、「ニューヨーク・タイムズ」紙に掲載された実話に基づくストーリーを脚本化、その話に感銘を受けたリンチが自らメガフォンを取ったという。
広大なトウモロコシ畑、どこまでもまっすぐと続く道、そして降るような満天の星…。旅の途中で出会うさまざまな人との会話。仲違いしていた兄に会うために、560kmの道のりを、時速8kmのトラクターでゆっくりと、そしてまさにストレイトに進む主人公のアルヴィン。
アルヴィン役は、長年スタントマンをやってきたリチャード・ファーンズワース。ほとんど無名の俳優ではあるが、まさにこの役のために今まで生きてきたように見えるほどぴったりだ。そしてそんな弟を待っている兄のライルに『パリ・テキサス』のハリー・ディーン・スタントンというのがまた泣かせるではないか。主人公アルヴィンの何気ないセリフがズシリと心に響く、まさにストレイトな沁みるストーリー。





☆ストレイト・ストーリー と合わせて飲みたいワイン
マーティンオベナウス エムオーロートNV赤
チャーミングな酸と果実味の、軽快な赤ワイン。コップで飲みたくなるような気軽さがあります。エチケットのウサギに何故か生えている鹿のツノを見て、これしか無いなと。
マーティン・オベナウス MO(エムオー)ロートNV赤