
「ノスタルジー」がテーマの映画と言えばベスト3に必ず入ってくる作品。映画の中の映画として『駅馬車』『嘆きの天使』などの名作映画が全編にわたって数多く登場する。今回久しぶりに観たけれど、悪人が誰一人出てこない。劇場で観るのではなく、自宅だとおじさんでも誰憚ることなく思いっきり泣けるから良いんです。
でも公開当時はそうでもなかったけど、じわじわと名作の誉を得た作品という印象。日本では200席足らずの、いわゆるミニシアターで上映がスタートし、劇場の動員記録を樹立したそうで。本国イタリアでも劇場公開された「オリジナル版」の上映時間は155分だったが、興行成績が振るわなかったため123分に短縮して国際的に公開し大成功を収めたらしい。詳しく調べたら、「オリジナル版」「完全オリジナル版」「インターナショナル版」「劇場公開版」「ディレクターズ・カット版」など、数多くのバージョンがあり、自分はどれを観たのか何だかわからない。まあそれだけ長く愛されている映画だということかもしれません。そして何と言っても巨匠エンニオ・モリコーネ作曲の主題曲「Cinema Paradiso」は、今も映画音楽史に燦然と輝いていますね。
我が国でも山田洋次監督が『ニューシネマパラダイス』の日本版とも言える『虹を掴む男』(1996年)という映画を西田敏行主演で撮っていて、『警察官日記』『野菊の如き君なりき』など、邦画の名作が映画の中の映画として全編にわたって出てくる。そして極め付けとして『男はつらいよ』も登場し、公開の直前に亡くなった渥美清を追悼しています。





☆ニュー・シネマ・パラダイス と合わせて飲みたいワイン
コス / フラッパート2024赤
映画の舞台となったシチリアの、まさに地酒として親しまれているフラッパートという品種。
気が付いたらボトルが空になるほどに、軽快で果実たっぷりな味わい。
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