
ジョン・アーヴィングのベストセラー小説を映画化したジョージ・ロイ・ヒル監督の『ガープの世界』(The World According to Garp)は大好きな映画です。ジョン・アーヴィングは村上春樹が日本語訳を担当していたりして、日本でもファンが多い作家で、『ホテル・ニューハンプシャー』や『サイダーハウス・ルール』など、映画化された作品も多い人。
シングルマザーにガープと名付けられた男の子が一風変わったひとたちに囲まれながら成長していく物語。悲劇的なことが次から次へと起きるが、不思議と暗くならない。映画全体を包む寂寞感はあるものの、すべてがどこか不思議と肯定感に溢れている。そこにはLGBT、銃規制、セクハラなどの社会問題も絡むという、まさに今こそ観てもらいたい映画。(しかし40年たった今でもこれらの問題が何も解決されていないとは…)
主演のロビン・ウィリアムズに母親役のグレン・クローズ。そして何と言ってもジョン・リスゴー。(快演!)これ以降、演技派としての名声を得ることになる、これら俳優陣の素晴らしさ。『明日に向って撃て!』『スティング』などと並ぶ、ジョージ・ロイ・ヒル監督のまさに代表作の一本。
ちなみに映画の冒頭にビートルズの「When I’m Sixty-four」が流れるのですが、64歳を待たずに主演のロビン・ウィリアムスは2014年に63歳で、惜しくも帰らぬ人となリました。





☆ガープの世界 と合わせて飲みたいワイン
ナナヴァン スゼット! 2024白
パートナーとの死別、有名人の畑を受け継ぐプレッシャー…。波乱万丈な人生を送る女性醸造家ナタリーがつくるワイン。柑橘や青リンゴの爽やかさ。 口の中をスーッと抜ける、心地よい酸がイイ。
ナナヴァン スゼット2024白