第二回 牡蠣と里芋のミルク煮

グッと寒くなってくるとミルキーなものが食べたくなる。身体はとっても正直で、その時季になるとその時季なものをちゃんと欲するのである。食材も然り、食べ方も然り。今夜何作ろう?というときは、一息入れながら自分に聞いてみるのが一番いいと思っている。

ずっと暖かった福岡が、グッと冷えてきた日に思い浮かべた食べたいものは、ミルキーなもの。牡蠣も美味しい季節だし、それなら里芋と合わせたい。グラタンまではいかなくて、少しこっくりとしたクリーム煮くらいがいいな。(こんなふうに独り言を進めていくようにしてメニューを考えることが多い)

じゃがいものドゥフィノワーズのような要領で、具材は牡蠣、里芋、ニンニク、それと最近お気に入りの黒キャベツ(カーボルネロ)を少し。これは春菊とかほうれん草にしてもいいと思う。この時期はかつお菜でも。(福岡のお正月といえばの野菜)これらを牛乳とバターを使って、弱火でコトコト煮る。さらっとしていた液体がこっくりしてきたら出来上がり。牡蠣の旨味とミルクが合わさりいいお味に。鍋がクツクツ言ってるうちに、なんならキッチンで出来立てを食べたいくらい。白ワインでまずは食べ進め、パルメザンチーズを削って赤ワインへと続く〜というのもいいな。

ああ、美味しいワインが飲みたい(笑)是非、冬のキッチンで楽しい晩酌を!!


牡蠣と里芋のミルク煮


材料(1人分)
牡蠣 (むき牡蠣) 50g
酒 大さじ1
黒キャベツ(カーボルネロ) 2枚  (細かく刻む)
ニンニク 1/2かけ (潰して薄切りにする)
里芋 1こ   (薄切りにする)
無塩バター10g
牛乳 100cc
塩 小さじ1/4 

作り方

1、牡蠣はよく洗ってペーパーで水気を拭く。

2、鍋に牡蠣、酒を入れ中火にかけ酒煎りする。ぷっくりしたら取り出す。

3、2の鍋にバター、黒キャベツ、里芋、ニンニクを加えさっと炒める。

4、牛乳、塩を加えごく弱火で煮る。里芋に火が通り、液体がこっくりしてきたら
2の取り出した牡蠣を戻し入れ温まればok.

※パンを添えて一緒に食べると美味しい。好みでパルメザンチーズや胡椒をふってもok

石田和也(カズー)
石田和也(カズー)

☆牡蠣と里芋のミルク煮 に合わせて飲みたいワイン

アルノー・コンビエ / ブラン・サン2023白

広沢さんのつくる牡蠣のミルク煮はあっさりしつつもミルキーで、牡蠣の旨み溢れる一品。

アルノーコンビエの樽熟成由来の品のあるバニラや杏仁のような香りがほんのり鼻をくすぐります。果実味が膨らみすぎず抑制が効いていてスッキリしているので牡蠣との相性もいいです。清涼感も感じるのでカーボルネロとも合いますよ!
パルミジャーノや生クリームを足すならもっと樽の香りの強いシャルドネでもいいと思います。

アルノー・コンビエ ブラン・サン2023白

広沢京子

雑誌、書籍、などのレシピ制作からスタイリング、商品開発など食のまわりのいろいろを形にする。生産者と消費者をつなぐ活動に力を入れ、料理会などを各地で開催。アトリエでは時季な食材を使ったjikijikilessonを毎月開催中。