石田カズーのフランス2024「ジュラ編③」

二日目。
ホテルのあるロン=ル=ソーニエから車を走らせること約40分。
向かうのはアルボワ、ピュピラン。

あのピエール・オヴェルノワやボールナールなどの大御所のいる村です。
まずはそんな大御所とも親交の深い造り手、『ドメーヌ・ド・ラ・ボルド』を訪ねました。

『ドメーヌ・ド・ラ・ボルド』のワイナリー』

ジュリアン・マレシャルが笑顔で出迎えてくれました。

おみやげはとどろき酒店手ぬぐい。
にこっとほほ笑むジュリアン。
なんか嬉しいですね。笑

ジュリアンはピュピランから40km離れたジュラ出身。
元々父親が穀物や野菜などを生産している農家さん。中でも葡萄の栽培に興味を持ち、ディジョンのワイン学校へ。在学中にジュラのアルボワで畑を探していたら幸運にもボールナールの近くで、家付きの3.5haの畑を購入することができたそうです。
そして、2003年からワイン造りをスタートさせ、今に至ります。

地下セラーに降り、テイスティング。

アルボワに10haしかないキンメリジャン土壌で造られた2023年のシャルドネから始まり、
最後はヴァンジョ―ヌにヴァンドパイユ、そしてマクヴァンまで・・・全部で17種類!

4年前に開けたのが最後というファーストヴィンテージの2003年のヴァンジョ―ヌも「折角だからと開けてくれました!
ヴァンジョーヌらしい胡桃やクミンのようなスパイスの香りに、熟した果実のニュアンス。熟成しつつも、綺麗な酸が下支えし複層感のあるワインになっていました。旨みたっぷりで素晴らしい…

何より思い入れのある貴重なワインを開けてくれたその心意気がとても嬉しかったです。

テイスティングが終わり、みんなで雑談して記念写真。
うちの醸造長の山田はジュリアンとユニフォーム交換・・・じゃなかった
ボトル交換!笑

素敵なツーショットでした!
ジュリアンと握手を交わし、ランチに。
アルボワにあるショコラトリ―の『イルサンジェー』のパテ・アン・クルート

しっかりお腹も心も満たされ、向かった先はまだ日本未入荷(当時)の『ジュリアン・クリカント』です。

ジュリアン・クリカントの醸造所。

ジュリアン・クリカントの祖父がアルボワ郊外の丘の中腹にある12haの農場を購入。
そこには約5haの葡萄畑がありました。その葡萄畑で葡萄を栽培し、地元の共同組合に販売しつつ、他の農産物も生産し、生計を立てていたそうです。

当時、20代前半のジュリアンは、ジュラのナチュラルワインシーンの初期のリーダーの一人であるドメーヌ・サン・ピエールのファブリス・ドダン氏のもとで働くことを決意。
葡萄の栽培方法やSo2を添加しない造り方を彼から学んだそうです。

ジュリアンの醸造所は飾り気のない古い納屋。
手作り感満載な建物です。
メインフロアには発酵タンク、除梗機、古いバスケットプレスがありました。

ジュリアンはこの地域の主要な葡萄品種を植えているそうです。
白はシャルドネとサヴァニャン。赤はトゥルソー、プールサール、ピノノワールです。
年によって、単一で仕込んだり、ブレンドしたりするとのこと。
エチケットはジュリアンの祖父の名前『ジャン』にちなんで、『カノン・ド・ジャン』という名前にしているとのこと。

カノン=キャノン。
ワインを飲んだらあまりの美味しさに撃ち落とされちゃうぞ!みたいな意味だそう。
基本的に培養酵母は使用せず、野生酵母のみでの発酵。
赤ワインは完全除梗、ステンレスタンクで熟成。白ワインはステンレスタンクまたは古樽を使用するそうです。

今のところリリースしているのは白3種類、赤2種類とのこと。
テイスティングは全部で10種類ほど。

赤ワインから白ワインの順にテイスティングしていきました。
全体的にナチュラルで柔らか。厳しさはなく親しみやすいワイン。
ジュリアンのフレンドリーな性格がワインに映しだされてるような気がしました。
主に2022と2023のワインのテイスティングをしました。
2023年は特に難しい年だったそうですが、どんなワインに成長しているのか気になるところ。

今のところ日本未入荷ではありますが、もしかしたらジュリアンのワインが日本に届く日はそんなに遠くはないのかもしれません。(注:現在はヴォルテックスが輸入しています)

ディナーはComptoir Kokagueにて。

(ブルゴーニュ編①に続く)

 

石田和也(カズー)

とどろき酒店 薬院stand!店長。ニックネームはカズー。趣味:ワイン/音楽(jazz)/キャンプ/温泉•サウナ巡り
ワインほど感動できる飲み物に出逢えたことがありません。感動するワインは人それぞれ。そんな1本をご紹介できたらと思います。