映画史上No.1のハッピーエンディングに乾杯︕

『素晴らしき哉、⼈⽣!』1946年 /アメリカ

舞台は1945 年のクリスマスイブ。なのでアメリカではクリスマスシーズンにどこかのテレビで必ずやっているという定番映画。まさに名作の中の名作であり、古典中の古典。「名物に美味いものなし」よろしく、「名作に面白いものなし」という言葉もありますが、これは掛け値なしに面白い作品です。

しかも、およそ80年たった今でも世界中のありとあらゆる映像関連の教育機関で課題に出されるという、時代を超えた教科書的な作品でもある。(三⾕幸喜監督の映画『ステキな⾦縛り』にも出て来ますね)現代においても全く古臭くならない、よく練られているプロットとキャラクターの設定に加えて、配役された役者の演技⼒もそれぞれ素晴らしいと思います。

ちなみにその三谷幸喜さんは「人生最後に見るんだったらこの映画」と言っているし、あの⿊澤明監督もマイフェイバリット・ムービーに選んでいる。そう⾔えばトーン&マナーがどことなく『⽣きる』(1952年)に似ている気が。ラストに訪れる多幸感で、お酒もグッと進みます。

 

つかもと
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☆素晴らしき哉、人生! と合わせて飲みたいワイン

ジェラール・シュレール / ゲヴェルツトラミネール ビルド2023白
圧倒的な凝縮感と香りの量、そして複雑さ。長期熟成でガラリと印象が変わるのも楽しいポイント。僕が人生最後に飲むんだったら、この人のワインです。

ジェラール・シュレール ゲヴュルツトラミネール・ビルド(ビルストゥックレ)2023白

『素晴らしき哉、⼈⽣!』1946 年/アメリカ

監督:フランク・キャプラ 出演:ジェームズ・ステュアート、ドナ・リード、ライオネル・バリモア、ヘンリー・トラヴァース ほか

『或る夜の出来事』の名匠フランク・キャプラ監督の名作。1945年のクリスマスイブ、住宅金融会社を経営しているジョージは度重なる不運で自殺しようとするが、そこへ見習い天使と名乗る男が現れ、ジョージがいなかった時の世界を見せる…。

松尾伸也

「MY FAVORITE THINGS」編集長。酒、レコード、映画、活字、美味しいものの周辺に生きている。本来は「映画は劇場で鑑賞する派」だが、コロナ禍のスティホーム時期に録り溜めしていた映画を少しずつ見出して、いつのまにか千本を突破。映画をアテにチビチビと、好きなお酒を飲みながら過ごす週末を楽しみに日々を送っている。

ダテユウイチ

長崎県出身・福岡在住のイラストレーター。1989年生まれ。2014年より本格的に活動を開始し、シュールでユーモアなタッチの作品を特徴とする。ドローイングや個展を多数開催しており、雑誌、アパレル、企業とのコラボレーションも展開。地域に根ざしたPOP UPイベントなど、多様な形で表現を行っている。