シャンパーニュ2日目。
ランスから車で約20分ぐらいモンタ―ニュ・ド・ランス地区の北西側の麓にある、1級格付けの村、シャムリ―に到着。
大きな観光地ではないけれど、その分ゆっくりと時間が流れているような場所。
素朴であたたかく、暮らしとともにある、というような一面が垣間見えるエリアです。

訪ねたのは『トーマ・ペルスヴァル』

トーマ氏。すごくフレンドリーで明るい方です。

トーマ氏はアヴィズ村の農学学校を出た後、ブルゴーニュ地方のビオロジック栽培を行うワイナリーで経験を積み、2004年に実家の蔵に戻ってお父さんの手伝いをしていたそうです。土を耕し、除草剤を使わないブドウ栽培を開始し、2008年からビオディナミ農法を導入。草の刈り方を変えて、草が地面を覆うようにコントロールし、適度な湿り気を蓄えた活きた土づくりを心がけている。
さらにたんぽぽやトクサなどを植えてビオディナミを強化しているそうです。
シャムリ―には30人弱の生産者がいるのですが、ビオロジックを実践している人はわずか4人だけとのこと。
畑は全部で7区画。品種はピノノワール、ムニエ、シャルドネが多く、プティメリエ、アルバンヌ、ピノブランもほんの少し植えています。そもそもおじいちゃんの畑が10haあって、それを4人の子供に振り分けたそうです。 今はお父さんから引き継いだ2.5haの畑がメインで、他にも畑を所有しているとのことでした。その2.5haの葡萄畑から年間12,000~14,000本のシャンパーニュをつくるそう。ピノノワールよりもムニエのほうが土壌に合っていると考えている区画があり、そこはピノノワールを抜いてムニエを植えているみたいです。試行錯誤ですね。
収穫は基本的に午前に行い、ブドウの温度が低い状態でアルコール発酵。雑菌の繁殖や、酸化防止などをコントロール下に置くためだそうです。カーヴ内の樽はところ狭しと並べられている感じでした。樽に表記もまったくないので、どこに何のワインを詰めているかトーマ氏にしかわかりません。

早速、バレルテイスティング。
ベリー系の赤い果実の香りに、ムニエらしい酸の伸び。
これがシャンパーニュになったらどうなるのだろうなんて想像しながら試飲していました。続いて、セラミックで熟成させたムニエ。樽で熟成させたムニエよりもより還元的な香り。酸は樽熟よりもかなり柔らかく感じました。セラミックで造ると暑い年でも、涼しい年のようなワインが造れるのだそうです。
その後はセラミックや古樽で熟成させたシャルドネや古樽と新樽で熟成させたピノノワールなどの試飲をさせていただきました。特にコト―シャンプノワ22の白がとても印象に残りました。コト―シャンプノワ22の赤はVA(揮発酸)がでてしまったようです。22年はブドウ自体の出来はいいけど、醸造が難しかったようです。

あれこれバレルテイスティングをさせていただいていると、トーマ氏が『後10分くらいで息子を迎えに行かないといけない!』と言いながらも奥からシャンパンを2本持ってきて、開けてくれました。
『なんで時間がないのに開けてくれるの?』と聞くと
『わざわざ遠い日本からこんなところまで訪ねてきてくれたのがすごく嬉しいんだ』とトーマ氏。なんだか胸があたたかくなりました。

(テイスティングを終えると急いでお迎えに行っていました。)




