第一回 「ココシュシュ」の生チョコとワイン

とんと断れない性格の、小市民(死語)の僕だけれど、ひとつ。これだけはきっぱりNO!と言えることがある。それはレストランで締めのデザートの際、給仕さんから「お飲みものはどうされますか?」とすすめられても「けっこうです!」と断れること。なぜなら甘いものには、ワインと合わせてたのしみたいから。そのために食事中には飲み切らず、いつもちょっとだけ残しておくのだ。

きっかけは忘れもしない、恵比寿のとあるメロウなフレンチカフェで。第3ボタンまであけたシャツから色気がダダ漏れのオーナーが「パリではみんなやってるよ」と、カヌレに赤ワインさらっと合わせてるのを見てから。そのかっこよさ、しどけなさに胸を焦がした。

それからは、自分でもいろんなお酒とスイーツの組み合わせをたのしむようになった。「これには赤ワインが合う」みたいなことはもちろん、やがて品種や産地どうしの相性なんかも気にしだすようになる。その手の知識はほぼないに等しいけれど、体験ならぬ“口験”で「この組み合わせ好き!」を見つけてきた。

てなことで。このたび「スイーツは夜ひらく」と題し、僕の好きな甘いものと、とどろき酒店で扱うお酒のペアリングを、ついつい紹介していこうと思うからね。



まず試してほしいのは、チョコレートと赤ワイン。マリアージュの醍醐味をこれでもか!というほどに味わえる、あつあつ鉄板コンビだ。

とくにとけてとろけていく感覚を味わいたいなら、生チョコがベター。ブランドはあまたあるものの、ヤマムラ的推しはここ、「ココシュシュ」だ。



この生チョコは乳製品や砂糖が一切入っていない、いわゆるヴィーガンなのだけれども、なんともこっくり濃厚で、特有のなめらかさもある、なのに引き際はきれいで、甘ったるく残る感じがない。



そこに合わせたのは、イタリアの「ヴァルポップ・ロッソ」。飲み口は軽やかだけど、しっかり複雑でスパイシーさがもたげる。

濃厚だけど軽やかな生チョコと、軽やかだけど濃厚なワイン。ふたつが交差点で出会った瞬間、マリアージュの花がひらく。

チョコとワインと僕。ぜんぶがとろけて、もうとろとろのめろめろ状態になるのだった。


◆ココシュシュ
https://chouchou-sweets.com




轟木渡
轟木渡

「ココシュシュ」の生チョコに合わせたのは

タージ / ヴァルポップ・ロッソNV(1000ml)赤

「自然を守る農業」、「タージ独自の味のワイン」というモットーで生み出される、心と体の奥底に響くワイン。

軽やかなアタックの中にドライフルーツのようなしっとり落ち着いた雰囲気が感じられ、派手ではないですがずっと飲めてしまう味わい。
(コルヴィーナ、コルヴィノーネ、ロンディネッラ)

タージ ヴァルポップ・ロッソNV(1000ml)赤

販売価格(税込) 3,355円

山村光春

編集者/コピーライター。企業やブランドのコピーライティング、雑誌や書籍、ウェブの編集・執筆を手がける。「やさしい編集室」主宰、「京都芸術大学」講師。リフレクソロジーのユニット「FOOT&LIGHT&GO.」としても活動。東京と福岡の2拠点暮らし。

Related Articles

Coming Soon