ソーヴィニヨンブランという品種は個人的な印象でいうと「変幻自在」。
栽培する地域やその年の気候、造り手のテクニックによって味わいを大きく変える品種です。
代表的なソーヴィニヨンブランの香りは柑橘や青草のような、爽やかで青々しさのある香り。
ただ、造り手によってはもっとリッチで厚みのある香り、南国系のフルーツ、パッションフルーツやマンゴー、パパイヤといったじゅくっとした風味のフルーティさを帯びることもある。
と、きて今回のソーヴィニヨンブラン。
焼いたクルミのような香ばしさ、それから熟したリンゴや桃の香り。
桃の中でも特に種に近い部分、ともすればすこし「えぐみ」を感じるような雰囲気もあります。それでいて口をスーッと通る酸味は芳醇な果実の香りをしつこくならないように締めてくれるような絶妙な存在感。
しっかりとした果実味の厚さがありながらもエレガント。素晴らしいバランス感。
言わずもがなですが、こういうワインは1日でその質が落ちるようなものではなく、2日目、3日目…まろやかさが顔を出して4日目、5日目は甘味が落ちつくかわりにまた酸味、それから初日には感じなかった余韻のミネラルが顔を出します。
造り手はチェコをはじめとした中央ヨーロッパエリアにナチュラルワインの息吹を吹き込んだ先駆者、ドブラ・ヴィニツェ。
2018年は故・ペトル氏が存命中のヴィンテージ、遺作ともいえるワイン。
このワインがつくられるまでの時間の偉大さを感じるような存在感でした。




