第四回 ラベルで見るクラシックワインとナチュラルワイン

これまでワインの製造や定義などに関することに触れてきましたが、そろそろ実践編に移りましょう。
ワインを購入する際の「?」にお答えしていきます!

ワインの特徴はすべてボトルのエチケット(ラベル)に詰まっていますが、特に外国産に関しては、「どこを見ればいいの?」「何が書いてあるのか分からない」「ナチュラルワインかどうかは見て分かるものなの?」といった声はよく耳にします。

では、まずは何が書かれてあるのか、例を見ながら見ていきましょう。

こちらはフランス・ブルゴーニュ地方の赤ワインです。

① 大きく表記された「Gevrey Chambertin」(ジュヴレ シャンベルタン)。最高峰の赤ワイン産地の名であり、そこで造られるワインを指します。

② その下には「APPELLATION CONTROLEE」(アペラシオン・コントロレ)の文字。原産地や品質の基準を満たすことを認める原産地統制呼称であり、「AOC」と表示されることもあります。

③ 2023年は葡萄を収穫した年です。

④ 生産者の情報が書かれています。この写真では「DOMAINE DUGAT CLAUDE」(ドメーヌ クロード デュガ)、ジュヴレ シャンベルタン村を代表するトップドメーヌです。

⑤ 最後に「BOUTEILLE N° D505」(ボトルナンバー D505)。固有のシリアルナンバーが割り当てられたとても希少なワインであることが分かります。


このワインはどこの畑で、いつ、誰が作ったワインか」と分かるように明記しているのは、クラシックワインに多い特徴です。

味わいの決め手であるぶどうの品種が書かれていませんが、ブルゴーニュのジュヴレ シャンベルタン村では「ピノ・ノワール」種のみが栽培されているため、この赤ワインの原料もまたピノ・ノワールであることが推測できます。

このように産地・品種・収穫量・醸造方法・アルコール度数など厳しい基準をクリアしたフランスの「AOC」などの認証は、品質を担保してくれる安心感があり、ワインを選ぶ際の基準のひとつといえますね。

 

それでは次に、「ナチュラルワインかどうかを判断する基準」について。

他にも以下のようにオーガニックや有機農業に関する認証マークがあり、ナチュラルワインを探す際の目安になります。

Euro leaf(ユーロリーフ)
葉っぱの形をしたEU公式のオーガニック認証マーク。

ECOCERT(エコサート)
フランスで設立されたオーガニック認証機関が発行。

Agriculture Biologique(AB認証)
フランス農業・食料省が定めた有機農業マーク。

Demeter(デメター)
ドイツ発祥。ビオディナミの国際認証団体。

ナチュラルワインかの判断は、生産者名に加えて、ここをチェックすると分かりやすいです。酸化防止剤(亜硫酸塩)が入っていなければ、まずナチュラルワインだと思って間違いないでしょう。ただし、少量(10mg/L以上)だけ入っていても表記は必要なため、判断が難しい場合もあります。

インポーター、輸入業者の名前を覚えておくのもひとつの判断材料になります。「ヴァンクール」「ラシーヌ」「ヴォルテックス」「W」といったワインインポーターはナチュラルワインを多く取り扱っていますので、まだ作り手の名前や商品名を知らないけれど、ナチュラルワインを探しているといった場合は、インポーター名からセレクトしていくと分かりやすいかなと思います。

最後に、ザ・自然派!というワインのエチケットを紹介します。先ほど述べたように、クラシックワインは昔からのデザインのラベルに情報をきっちり入れたエチケットが特徴でしたが、自然派はとにかく自由!そして、僕らから見ても「情報少なっ!」と思うようなデザインのものが多いのが、対比的な特徴です。

フランス、オーヴェルニュ地方の「ドメーヌ・ラ・ボエム」のワイン「lulu(ルル)」。表のエチケットでは、内容がほとんど分かりませんね。

裏のラベルには「Vin de France=フランスのワイン」という表記に加えて「パトリック・ブージュ(生産者名) ラ・ボエム(ワイナリー名)(郵便番号 63800 フランス)によって、醸造・熟成・瓶詰めされたワイン。酸化防止剤(亜硫酸塩)無添加。ただし、自然由来の亜硫酸塩を含みます」という一文。

完全な自社畑ぶどうのみ。ガメイ・ドーヴェルニュという希少な品種の古樹のぶどうが使用されていますが、そういった情報は一切なし。

このようにイラストなど個性的なデザインが施され、実際には認証マークが付けられる品質のものだったり、無添加だったりするのですが、「そんなこと当たり前」と言わんばかりに、なんのアピールもしてこないナチュラルワインも多数存在するのです。

その分、自分たちの価値観や世界観を表すような、独特のエチケットデザインになっているんでしょうね。まさにジャケ買いしたくなるような。味を想像しながらエチケットで選ぶのも楽しいものです。もちろん、選ぶのに悩んだらスタッフにお気軽に尋ねてくださいね。

年々、そんな個性的なワインが世界各地、そして国内でも増えてきています。次回は僕ら「studio go go(ステュディオ・ゴー・ゴー)のワインを例に、どんな風にエチケットやネーミングが作られていくのか、その裏側をご紹介したいと思います。

 

しゅがー

福岡生まれ、福岡育ち。
嫌いな言葉は二日酔い。好きな言葉は迎え酒。癒されるワイン、楽しくなれるワイン、じっと向き合うワイン、どれも大好きです。