プレ寅さん期の渥美清と倍賞千恵子、屈指の名コンビに乾杯!

『白昼堂々』1968年/日本

最近は福岡にも昼飲み出来るお店が増えていて、何とも喜ばしい限りです。昼間から白昼堂々と飲む幾ばくかの罪悪感が、更にお酒の味を引き立てるという説に賛同する私ですが、皆さんはいかがでしょうか?

さて今回オススメする映画は邦画で野村芳太郎監督、渥美清主演の『白昼堂々』。万引家族ならぬ、万引タウン(なんと福岡という設定!ヤバい!)の物語。炭鉱の斜陽化で生活に困った人たちを救うために、集団でスリや万引きをやっていたという人情喜劇。何と実話に基づく、直木賞作家の結城昌治の小説が原作。

この作品が公開された翌年には「男はつらいよ」シリーズがスタートしますが(第1作は特に必見!)、既にこの『白昼堂々』で渥美清と倍賞千恵子との名コンビがスタートしています。実は『男はつらいよ』は妹さくら役が長山藍子で、当初テレビ番組としてスタートしていますが、この『白昼堂々』を野村の弟子筋である山田洋次が観て、倍賞千恵子をさくら役に抜擢したのではと思わせるくらい、息があったコンビが既に出来上がっています。そしてこの映画の何と57年後に公開された山田洋次監督の新作『TOKYOタクシー』(2025年11月公開)でも倍賞千恵子は木村拓哉と共に主演してますね。『下町の太陽』や『家族』などのいわゆる民子三部作、そして大ヒットした『幸せの黄色いリボン』など、山田洋次のミューズが彼女だということに異論を挟む人はいないでしょう。

またそれにしても渥美清という人は本当に才能のある人だったんですね。晩年は帽子を深めに被り、気になる小劇場の芝居などに一人で足繁く通っていたとか。

出演した『喜劇列車シリーズ』や『拝啓天皇陛下様』などを観ると、もうこんな力のある役者はそうは出てこないだろうと思わせます。実は映画になる以前、当初テレビシリーズとして始まった『男はつらいよ』の監督に山田洋次を推薦したのは、渥美清の方だったそうです。

 

つかもと
つかもと

☆白昼堂々 と合わせて飲みたいワイン

パラッツォ・トロンコーニ / WTFロッソ・ビオディナミコ2022白

ウォーターボトル用の1リットルワインに貼られるド派手なエチケット。もちろん、ゴクゴク飲むのが正解のワインです。白昼堂々、明るい時間から始めちゃいましょう!

パラッツォ・トロンコーニ WTFビアンコ ビオディナミコ2022白

『白昼堂々』1968年/日本

監督:野村芳太郎 

出演:渥美清 倍賞千恵子 有島一郎 生田悦子 藤岡琢也 田中邦衛 新克利 コント55号(萩本欽一 坂上二郎) ほか

会社が倒産して、追い詰められた渡辺勝次(渥美清)はかつての仲間を呼び集めた。実は勝次は、その昔にスリの名人として名を馳せた男。スリ仲間が続々と勝次の元に集まる。そして上京した一団は、デパートに狙いをつけて、大仕掛けの万引きを繰り返す。ところがだんだんと警察に捕まり始めた為、勝次は大勝負に出ることに。それはデパートの売上金を奪おうという大計画であった。

松尾伸也

「MY FAVORITE THINGS」編集長。酒、レコード、映画、活字、美味しいものの周辺に生きている。本来は「映画は劇場で鑑賞する派」だが、コロナ禍のスティホーム時期に録り溜めしていた映画を少しずつ見出して、いつのまにか千本を突破。映画をアテにチビチビと、好きなお酒を飲みながら過ごす週末を楽しみに日々を送っている。

ダテユウイチ

長崎県出身・福岡在住のイラストレーター。1989年生まれ。2014年より本格的に活動を開始し、シュールでユーモアなタッチの作品を特徴とする。ドローイングや個展を多数開催しており、雑誌、アパレル、企業とのコラボレーションも展開。地域に根ざしたPOP UPイベントなど、多様な形で表現を行っている。