アイスとワイン、好きがつなぐ至福の共演。
幡ヶ谷「kasiki」で開催された特別な一日。

4月27日(月)、東京・幡ヶ谷のアイスクリームショップ「kasiki(カシキ)」にて、福岡の酒屋「とどろき酒店」を招いたイベントが開催されました。

素材を活かしたアイスクリームと、それに寄り添うワイン。二つが溶け合う新しくも心地よい、一日の様子をレポートします。

幡ヶ谷の街に佇む「kasiki」。店主の澄香さんと、福岡から駆けつけた「とどろき酒店」の轟木さんと佐藤さん。
幡ヶ谷の街に佇む「kasiki」。店主の澄香さんと、福岡から駆けつけた「とどろき酒店」の轟木さんと佐藤さん。

三年越しに叶った、念願の共演

会場となった「kasiki」は、店主・藤田澄香さんがレシピから考案するアイスクリームの専門店。旬の果物やハーブを組み合わせた独自のフレーバーは、都内はもちろん遠方からも多くの人を惹きつけています。

また、店主自らがセレクトするナチュラルワインも魅力のひとつ。その背景には、オープン当初からワインを届けている福岡の「とどろき酒店」の存在があります。

距離を越えて信頼を築いてきた両者にとって、今回の共演はようやく実現した念願のイベントでもありました。

オープン直後から続々とお客さんが来店し、心地よい熱気に包まれる店内。
素材が香るミルクベースのアイスクリームは、ワインとの相性も抜群。
外のベンチで楽しむ様子も。開放的な空間で味わえるのも、このお店の魅力。

信頼から生まれたワインセレクト

カウンターに並んだのは、とどろき酒店の代表・轟木さんとスタッフの佐藤さんが厳選したワイン。澄香さんの好みを知る二人だからこそ、あえて「いつもとは一味違う、今こそ飲んでほしい」を詰め込んだラインナップが揃いました。

轟木さんによる熟成感のあるクラシックなワインから、佐藤さんが熱く語る注目の造り手のものまで。一本一本の背景を伝えながらサーブするワインは、より深い味わいをもたらしてくれます。

造り手の話を交えながら注がれるワイン。佐藤さんの説明に、お客さんも熱心に耳を傾けます。
生産者を知る佐藤さんだからこそ語れるストーリーに、お客さんも熱心に耳を傾けます。
厳選された、個性豊かなナチュラルワイン。ラベルを眺めるだけでも胸が高鳴るラインナップです。
個性豊かなワインたち。並んだラベルを眺めるだけで、胸が高鳴ります。

福岡の食文化をアイスで表現

迎える「kasiki」が用意したのは、ワインに寄り添う“おつまみアイス”。福岡名物をテーマに、明太子や海苔、桜エビなど、お酒のアテとしても馴染みのある素材をアイスクリームに落とし込みました。

これまでワインバーやケータリングにも携わっていた澄香さんは、大の福岡好き。自ら現地に足を運び、肌で感じたエッセンスから生まれる味わいは、スイーツの枠を超え、まるで一皿の料理のような驚きと美味しさが広がります。

限定フレーバーの「めんたいチーズ」や「のりヴァンジョーヌ」など、個性豊かな組み合わせと、その美味しさに驚く声も。
「めんたいチーズ」や「のりヴァンジョーヌ」など、個性豊かな組み合わせと、その美味しさに驚く声も。
アイスのレシピ作りから提供まで、丁寧に向き合う店主の澄香さん。
アイスのレシピ作りから提供まで、丁寧に向き合う店主の澄香さん。
苦味と塩気がお酒を誘う、ふきのとうのケークサレもこの日のスペシャルメニュー。
苦味と塩気がお酒を誘う、ふきのとうのケークサレもこの日のスペシャルメニュー。

出会いがつくる、心地いい空気感

レジ横には福岡のコーヒー屋「COFFEE COUNTY」の豆が並び、二階には同じく福岡のインテリアショップ「MORE LIGHT」の家具も。ご縁を大切にする澄香さんならではのセレクトは、幡ヶ谷にありながら、どこか福岡の穏やかな風を感じさせてくれます。

さらに、シームレスな美しさが印象的な店内は、とどろき酒店の本店も手がけた建築家・干田正浩さんによる設計。こうした人や土地との繋がりがいくつも重なり、店内はここでしか味わえない一体感に包まれていました。

ご縁あるプロダクトが並ぶ物販棚。上段には福岡の「Picnika」で購入した木製の器も。
ご縁あるプロダクトが並ぶ物販棚。上段には福岡の「Picnika」で購入した木製の器も。
福岡「MORE LIGHT」のテーブルセット。絶妙な高さが心地よく、お酒の時間をより豊かにしてくれる。
福岡「MORE LIGHT」のテーブルセット。美しい佇まいと絶妙な高さが、お酒の時間をより豊かに。
自然光が優しく差し込む店内。どの角にも柔らかな丸みがあり、心が落ち着く空間が広がります。
自然光が優しく差し込む店内。どの角にも柔らかな丸みがあり、心が落ち着く空間が広がります。

時間がたつにつれ、カウンターのワインも心地よく空いていきます。遠方から駆けつけたワイン好きや料理人の姿も見られ、店内は終始、熱気に包まれたまま、あっという間に終了の時間に。

とどろき酒店が福岡で栽培・醸造を手がける自社ワインのファーストバッチも特別に用意。
とどろき酒店が福岡で栽培・醸造を手がける自社ワインのファーストヴィンテージも特別に用意。
複数のボトルとグラスが、この日の楽しさを物語ります。
複数のボトルとグラスが、この日の楽しさを物語ります。

イベントを終えた三人にお話を伺いました

―― ようやく開催できたイベント、実際に終えてみていかがですか?

澄香さん 「いつも素敵なワインを送っていただいているので、こうしてお二人をお迎えできて本当に光栄です。普段自分では選ばないようなワインとの出会いも多く、私自身も新しい発見があって楽しかったです」

佐藤さん 「澄香さんの好みを踏まえつつ、あえて少し癖のあるものや、自分が心から好きで語れるワインを持ってきました。とどろき酒店ならではの色を、しっかりとお客さんに届けられたと思います」

轟木さん 「福岡とはまた違ったお客さんの熱量があって楽しかったです。お店を立ち上げる際に『アイスとワイン』と聞いたときは、攻めているなと思いましたが、今日、ワインの隣にアイスがある風景を見て、美味しいもの同士が自然に溶け込んでいると確信しました。
次回はぜひ、福岡の『とどろき酒店』でもこの共演を実現させたいですね」

稲垣葵
稲垣葵

アイスとワイン。一見異なる二つが「好き」という想いで重なり合った、今回のイベント。何にもとらわれない心地よさと、幸福な余韻が続く一日でした。
いつか福岡で、この共演を再び。その日が訪れるのも、そう遠い未来ではなさそうです。

アイスとワイン、好きがつなぐ至福の共演。<br>幡ヶ谷「kasiki」で開催された特別な一日。

kasiki(カシキ)

住所:東京都渋谷区西原1-13-2|地図
営業時間:13時~21時
定休日:木曜、不定休
Instagram:@kasiki__

photo: Yayoi Arimoto / text: Aoi Inagaki

稲垣葵

文具メーカー「HIGHTIDE」での勤務を機に、福岡に5年間在住。現在は東京を拠点に各地で活動中。ジャンル問わずお酒が大好きで、その背景にある人や物事への好奇心は尽きない。「MY FAVORITE THINGS」の一員となり、その熱量はさらに加速している。