今回、鹿児島県指宿市で焼酎「山大一」や「イヨシコーラ酎」などを造る大山甚七商店さんにお声かけいただき、ラムの原料であるサトウキビの収穫から、搾りたてのサトウキビジュースで仕込む「アグリコールラム」の製造体験までをさせていただきました!
焼酎の蔵元が取り組むラム造り。
その現場を実際に体験できる貴重な機会に、胸を高鳴らせながら指宿の地へ向かいました。

このラムイベントは6代目大山陽平さんが鹿児島の一大産業であるサトウキビの魅力、サトウキビを育てる人々の魅力、そしてサトウキビを原料としてAcou Spiritsが生み出す国産ラムの魅力を体験していただきたいという思いから、2023年から毎年開催されているものです
今回で4回目の開催となり、全国各地から酒販店や飲食店などの関係者が指宿に集合しました。
慣れない作業に戸惑いながらも、多くの学びと発見に満ちた貴重な1日が始まります。
午前7時半
まだ眠たい目を擦りながら天文館からバスに乗って指宿市山川にあるサトウキビ農園「うんまか糖」さんへ向けて出発!
一時間ほど揺られるとうんまか糖さんの畑が見えてきます。

うんまか糖代表の田中さんは、約30年前にふとかじったサトウキビが美味しすぎて、気が付いたら島へサトウキビの株を仕入に行き、指宿の地で栽培を始めたそうです。
現在は農薬・化学肥料を一切使用しない自然農法でサトウキビを育てています。

畑に着くと早速作業の始まりです。
背丈を超えるほどに生い茂ったサトウキビを、一本ずつ丁寧に刈り取っていきます。

サトウキビは根元に近いほど糖度が高いため、できるだけ根元付近を斧で刈り取ります。
そして収穫したサトウキビを搾汁しやすいように皮を剥いで茎だけにしていきます。
この作業を「さすり」と言うのですが、さするための専用の鎌が初めて見る形でびっくり!!

この鎌の二股になっている先端を使用して皮を剥いで、通常の鎌の部分で糖度の低い上の部分を切り落とします。
慣れてくるとだんだん楽しくなる作業ですが、終わる頃には結構腕には疲労がたまっていました。
うんまか糖さんの畑は他のところにも点在しており4月くらいまでは収穫作業が続きます。
立派に生い茂ったサトウキビ畑では除草を機械で行うことはせず、全て人の手で除草をしていくことも教えていただきました。
うんまか糖さんの管理する畑の土壌は、古来開聞岳の噴火によるシラスの堆積によって形成されており、土壌の栄養分もバラバラで近くの畑で取れるサトウキビでも太さが全然違うそうです。

収穫したばかりのサトウキビも特別にかじらせていただきました!
噛んだらじわりと出てくるサトウキビの汁は、しっかりと甘いのにとても爽やかでくどさの残らない味わいなので、ずっとかじっていたいと思いました。

ある程度サトウキビの収穫を終えると、その後は搾汁作業へ。
20年以上使われているというシンプルな構造の搾汁機に、次々とサトウキビを通していきます。
大量のサトウキビから得られるジュースはほんのわずか。目の前でその光景を見て、一本のラムに込められる労力の大きさを改めて感じました。
搾り終えた後に残る繊維質のかすは「バガス」と呼ばれ、水分が抜けカラカラになったそれは搾る前にかじったあの甘さが嘘のように味が抜けていました。
このバガスは再度畑に撒いているそうですが、将来的には何か良い活用方法がないかと陽平さんは模索しているようです。
作業の合間に搾りたてのサトウキビジュースも飲ませていただきました。
とにかくフレッシュで優しい甘味のなかにほんのり青さを感じます、後口はとてもスッキリしていてついおかわりを頂いちゃいました!

この新鮮なサトウキビジュースを原料とし、直接発酵・蒸留したものをアグリコールラムと呼びます。
サトウキビジュースは搾った瞬間から劣化が始まるので、アグリコールラムを製造できるのはサトウキビの収穫時期である数カ月のみに限られ、製造するための蒸留所も必然的に収穫する畑から近くである必要があります。
アグリコールラムは農業的に深い結びつきがあることから、フランス語で「アグリコール(農業生産)」という名称が付けられました。
ワインでいうテロワールのようにその土地の個性が味わいに反映されるという点も、この体験を通して初めて知ることができました。
うんまか糖さんから大山甚七商店までは約20分の距離。
指宿の地でサトウキビが栽培されていること、そのすぐ近くに蒸留所が存在していること、陽平さんが蔵に戻った時に地元を知ろうとしたこと、いくつもの偶然が重なって今のACOU RUMが存在していると言えます。

次回は搾りたてのサトウキビジュースから黒糖が製糖される模様からお届けします。




