第十回 栗しごとのお楽しみ


栗が店先に並び始めると、「今年は栗、もう食べた?」
そんな会話をしながら秋を迎えます。今年は夏に雨が少なかった影響もあってか、栗の出回りが少し遅いような気がしています。生産者さんからも、早い品種は影響があったとお聞きしました。10月に入り、立派な栗も手に入るようになり、今年もしっかり栗しごとをしています。栗好きな方は多いと思うのですが、栗を剥いたり、下処理をしたりするのは、まあまあ手間がかかります。でも、やっぱり美味しいのでやめられません。

渋皮煮は、まず鬼皮(外側の固い皮)を剥き、何度も茹でこぼして渋を抜き、その後に甘みを含ませていきます。この鬼皮を剥くときに、渋皮に傷をつけないようにするのが大事なミッション。とはいえ、どうしたって傷がついてしまうものも出てきます。そんな栗にも、これはこれで美味しい食べ方が。     


油で素揚げにして、塩をぱらっと。揚げると渋皮はほろっと外れ、中はホクホクの揚げ栗に。塩だけでも、スパイスを合わせても美味しい。 


そして、もう一つのお楽しみが栗バター。茹でた栗を半分に切り、スプーンで中身をくり抜いて、少しのお砂糖と一緒にペースト状にし、バターと合わせます。多めに作って冷凍保存もできるので、長く栗を楽しめるのもうれしいところ。クラッカーに塗ったり、パンに塗ってハムやルッコラと合わせてサンドイッチにしても美味しいです。


手間をかけた分だけ、楽しみも広がる栗しごと。             
秋の夜、お酒のおともに最高ですよ。

栗の渋皮揚げ


栗  10個
揚げ油 適量
A(塩(粗めなものが良い) 小さじ1
クミンパウダー 小さじ1/4
ドライオニオン 小さじ1
黒胡椒 少々

作り方

1、 Aをボウルに入れ混ぜ、ドライオニオンは手で細かく潰す
2、 鍋に栗を入れたっぷりのお水を入れ中火にかけて
沸々したら止める。
3、 ペティーナイフを使って鬼皮を剥く。1箇所は先で少し刺す (破裂防止)
4、 揚げ鍋に3の栗を並べ、かぶるくらいの高さに油をそそぎ
弱めの中火にかけゆっくり揚げていく。4分くらい
したら周りがカリッとしてくるの一つ取り出し
串を刺してスッと通ればok.
5、 網にあげ油を切り、塩を熱いうちに1を少々かける。
6、 器に盛り、1を添える。



栗バター

栗 300g(正味180g)
砂糖 25g
塩 少々
無塩バター50g
水大さじ1

作り方

1、 鍋に栗、はたっぷりの水を入れ中火にかけ沸騰したら弱火にして50分茹でる。
水が減って栗が水面から出てきたらお湯を加える。
2、 ざるに上げっ水気をふいて半分に切り、スプーンで中身をくり抜く。
3、 ザルなどで一度濾しボウルに入れ、砂糖、塩を加えまぶす。
4、 3、水を鍋に入れ弱火にかけ木べらで練り混ぜる。全体がしっとりしたら
バターを加えよく混ぜる。
石田和也(カズー)
石田和也(カズー)

栗の渋皮揚げに合わせたいワイン

黄色い南国の果物のニュアンスに、ヘーゼルナッツの香り。アフターに柔らかく樽由来のバニラの甘やかなニュアンスがあります。

ワインのまったりしたコクと栗のほっこりした甘みが心地よく交わります。ワイン自体にフレッシュな酸もあるので、栗の渋皮揚げ物の油分もさっぱりさせてくれますよ!

アルノー・コンビエ ブラン・サン2024白
販売価格 3,630円

栗バターに合わせたいワイン

なんとアルコール10.5%!
残糖があるので、ほんのり甘口。
青リンゴやメロン、パイナップルの豊かな香り。甘みはあるのですが、葡萄由来の自然な酸があるのベタっとした甘さではありません。

栗バターをパンに塗るだけでも、もちろん合いますが、ハムなど塩味があるものを乗せると甘じょっぱさが増してより合いますよ!

ペドロ・エスクデーロ バルデラグンデ セミ・ドゥルセ2024白
販売価格 2,750円

広沢京子

雑誌、書籍、などのレシピ制作からスタイリング、商品開発など食のまわりのいろいろを形にする。生産者と消費者をつなぐ活動に力を入れ、料理会などを各地で開催。アトリエでは時季な食材を使ったjikijikilessonを毎月開催中。